アーキペラゴとは群島とその周辺の海域を意味する。今作品の特性とリンクしているため、そう呼ぶことにした。この作品の特徴は大きく二つある。一つは”プロダクト化”を目標に開発していることである。建築の多くはオーダーする事を前提としている。オーダーメイドは素晴らしいことではあるが一方で弊害も数多くある。それらの弱点を浮彫りにし、解決することで一つの新しい価値観を提案している。もう一つの大きな特徴は”動く建築”であるということである。建築は動かないことを前提としている。もしも建築が動くことができれば、さまざまな影響を社会にもたらす。土地所有の概念、移住の概念、試住の概念、不動産投資の概念、ライフスタイルなど多岐にわたる。不動産という側面を持つ建築を"動産"と読み替えることで新しい発見があるかも知れない。そんなオルタナティブな世界が広がることを夢想しながら今作品が生まれた。